【2-39】 不貪の戒行において不動心を得たならば、自分の転生のありさまを三世にわたって漏れなく知ることができる。
The permanent reign of non-covetousness (aparigraha) engenders knowledge concerning the goal of earthly life. ||39||
<解説>仏教で阿羅漢の徳といわれる三明、六通の中の三明(宿明通、天眼通、漏尽通)はここに説くところのシッディ(siddhi、悉地、霊能)と似ている(3-18参照)。人は一般に自分の身体と欲望をみたす対象とに対する貪愛の情のために縛られて、常に心を外向きにはたらかせているから、真実智が顕われてこないのである。からだその他に対する貪愛の心がなくなって、無関心(madhyasthya)の心境つまりストア学派のいうアパテイアの境地に達した時に、初めて正智を得ること得ることができる。
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