【3-25】 綜制を使って、心の発現にそなわる光をあてることによって、どんなに微細なものでも、人目につかぬところにかくされているものでも、はるか遠くにあるものでも知ることができる。
Meditating on the source of the inner light gives rise to knowledge (jnana) of subtle, concealed and remote entities. ||25||
<解説>1-36に白光を帯びた心の発現のことが説かれている。綜制によって照明性を強められた心の発現にそなわっている光線を対象にあてることによって、分子や原子のような微さなものでも、地中にかくれている宝でも、千里の遠くの出来事でも知ることができるのである。インドでは紀元前からアトム説(極微論)がとなえられていたが、これはギリシア人のように推理によって到達したのではなくて、超自然的な力で極小なものを直観した結果だと言い伝えられている。インドの原子論は理論物理学的ではなくて実験物理学的な方法によって到達されたわけである。遠方のことがらを感じたり、ヴィジョンとして見たりするひとは今日でもいる。千里眼とか、テレパシーとかいわれる心霊現象は催眠術によって発現する場合もあって、あながちに否定することはできない。かくされているものを直観によって見つけるという経験も、ヨーギーの場合でなくても、しばしば耳にすることである。心の発現の光とはみないで、意のはたらきの光と解する説もある。
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