【3-38】 綜制の修習によって、心を体内に縛りつけている原因が弱まり、他方では心の運行する道筋が明らかとなるから、心は他人の身体のなかへ入りこむことができる。
Relinquishing the causes of attachment to the physical realm and gaining knowledge of the energy channels angenders the ability to enter into another body. ||38||
<解説>心は本来、自由にどこへでも行けるたちのものであるが、業によって縛られて、一つの肉体の中に閉じこめられているのである。ところが綜制の修習によってこの業の力が弱められ、かつ心の運行する道筋が明らかになると、人は心を自分の身体から出して、死人または生きている他人の身体の中へ入りこませることができる。その時、他の緒官能(インドリア)も心についてゆく。こうして他人の身体のなかへ、自分の心を入りこませたヨーギーは、その他人の身体を自分の身体のようにして、思いどおりの立居振舞いができるのである。心の動いてゆく径路は不可視の細い管として考えられている。
コメントをお書きください