ヨーガ・スートラ3-51

【3-51】 たとえ高位の神霊からの誘いをうけても、愛着と誇りとを抱かないことが大切である。さもないと、再び不吉なことが起こるから。

When the celestial beings beckon, the yogi should avoid forming any attachment to this complacency, since this contact can reinstate undesirable attachment. ||51||  

 

<解説>高位の神霊は人間が解脱を得ることに嫉妬を抱くといわれる。それで、天女の美しさや、不老長寿の神丹などでヨーギーを誘惑する。この誘惑に負けて、それらに愛着や誇りを感ずると、元の状態へ堕落してしまうのである。仏陀が覚りを開く前に、魔王(マーラ)の誘惑や脅迫をうけた話は有名である。註釈家によると、この神々の誘惑をうけるのは、ヨーギーの四階級の中、下から第二の階級の地位にあるヨーギーだという。