39.バガヴァッドギーター ヴィシュヌ(秩序と維持に法則、すべてに広がる存在)10-21

繋がる、世界の闇と輝き、自分を磨く

12の太陽を司るアーディッティヤー神々の中で、私は「ヴィシュヌ」である。空に輝くものの中で、私は太陽の光である。マルタ神々のなかでは、私はマリーチである。9つの星の中で私は月である。

「ヴィシュヌ」は、サンスクリット語の「ヴィシ」=”遍く広がる”という語源からなる、世界を調和させる神。創造ー維持ー破壊のサイクルで巡る宇宙の、維持の法則を司ります。その調和の法則は、大きな宇宙全体を包み込み、一粒の粒子、原子の中にも行き渡り、動くもの、動かぬものの内と外に広がります。海や空や星、自然界のすべてを循環させ、大気を動かし、私たちの体の血液を運び、空気を流す命の中に宿るものがヴィシュヌです。ヴィシュヌは、今あなたの体の中で息をし、時を刻んでいます。あなたの動きの中に、あなたの立つ場所にあり、どんな場所にも空気のように微かに、柔らかに浸透しています。

ゴームカーサナ(牛の顔のポーズ)

ヴィシュヌは、乱れた世界を救い、人に真実を伝えるためにクリシュナという人間の形で現れました。『バガヴァッドギーター』は、アヴァターラが語るヴィシュヌの直接のYogaの教えなのです。

ヴィシュヌの化身クリシュナはある国の王子として生まれましたが、「化身」の出現を恐れた悪魔(ラクシャサ)たちから命を狙われ、牛飼いの家に逃れ、少年時代は牛飼いの子として過ごしました。幼いクリシュナの友であった牛は、インドで聖なる動物とされ、インドでは牛を殺したり食べたりすることはありません。

このポーズは牛の顔を真似たポーズ。牛のように運命に抗わず、与えられていることを淡々と受け止め、焦らず競わずのんびりとする時間をもちましょう。苦しい時こそ流れに逆らわず、ヴィシュヌの流れに乗りましょう。このポーズが心のゆとりを生んでくれるはずです。

正座をしてから、足の右側にお尻を落として座ります。右手は地面に、左手は左足の上に置きます。左の膝を伸ばして足を前に伸ばします。右手で左の足首を持って、右足の上から左足をまわします。左足の側面を地面に付け、息を吐きながら、右手を上から、左手は下から背中にまわし、背中の後ろで手を繋ぎます。息を吸いながら背筋を伸ばして正面を見ます。吸う息で胸を大きく前に広げ、吐く息で肩の力を抜き、顔を柔らかくします。のんびり肩がほぐれ、気持ちが落ち着くまでポーズを維持します。反対も同じ様に繰り返しましょう。