42.バガヴァッドギーター ジャガット(世界)12-16

カルマが生み出す世界、自由を生きる、受け入れる強さと広さ

(真実を知る人)は幸せを他の物や状況に頼ることなく、体の外側も、内側の心も清浄であり常に冷静で、知性に曖昧さがなく、恐れがない。その人は、すべての「カルマ(行いとその結果)」から自由であり「イーシュヴァラ(世界を維持する存在)」を理解する者であり、イーシュヴァラの最愛なる者である。

この世界は「ジャガット」と呼ばれます。ジャガットの語源は「ガム(行く、動く)」。動き、前に進み、一瞬も止まることなく変わり続けるもの、それが世界です。ジャガットは、私たちが過去に積んだ「カルマ(行い)」によって巡ります。カルマの結果によって世界は現れ、生物がカルマを消化するために世界は廻るのです。この世界は、私たちがそれぞれに主役を務めるドラマの舞台のようです。過去から未来へ流れ、決して後戻りせず、二度と同じ事が起こることがない変わりゆくドラマ。現われるものに偶然はなく、起こる出来事も登場人物も、すべて因果で繋がり合い、展開も行先もだれにも知られることがないダイナミックで壮大な舞台がジャガットです。

「ブランマン(真実)を知る賢者は、すべての望みを手に入れる」『ウパニシャッド(奥義書、ヴェーダ聖典の最終的な教え)』の中で最も大事な「タイティリーヤ・ウパニシャッド」の冒頭のマントラです。「真実を知る人は、すべての望みを叶える」それはYogaで目指す究極のゴールでもあります。

「タイティリーヤ」とは、「ティッティパ」という鳥の名前が語源。ティッティパという鳥は、小さいながらもたくましく自由に生き、どんなものも食べ、消化することができる強さを持った鳥。事実を知る人は、どんなものも受け入れ、経験を学びとして消化することができ、小さい体に生きながらも、自由にいる人です。ティッティッパの強さと自由が、Yogaを知る賢者のたとえ、”強くたくましく、自由に生きる”そのためにティッティパのポーズを練習してみましょう。

真っ直ぐに立ち、足を軽く左右に開き、前屈して足の前に両手をつきます。右、左腕をそれぞれの膝の後ろ側にまわし、手の平を地面につきます。腕の上を太腿と膝で挟み込むようにし、身体を浮かしてバランスをとります。息を吐きながら、両腕をゆっくりと伸ばし、背筋を伸ばして正面を見ます。